Monday, February 4, 2013

いつかの椅子の話


引っ越しをすることになったので、今度こそはインテリアに凝ろうと思っている。シャビーシックなインテリアなんていいよな。私には似合わないけれど。
金をかける余裕はないので、オークションやリサイクルショップで掘り出し物を探すのが日課となってしまった。

先日も某オークションサイトで椅子を落札した。が、終から気がついたのだが、送料がとんでもない額だった。なんと二脚で一万円!東京から東京に送るというのに。

そんなぼったくりの罠にはまるわけにはいかない。直接引き取りに行ってもいいとのことだったので、隣県まではるばる足を伸ばした。タクシーと電車を利用すれば四千円くらいで済む。

しかし、椅子を持って電車に乗るっていうのはまともな人間のすることではないね。他の乗客たちの視線が痛かった。あれが人生で最も目立った瞬間だったかもしれない。

あの珍妙な光景を見た誰かも同じことを考えたかもしれないが、私もやっぱり『いつかのメリークリスマス』を思い出した。

僕は走り 閉店まぎわ 君の欲しがった椅子を買った
荷物抱え 電車のなか ひとりで幸せだった

という部分。

あの歌詞の主人公もやっぱり恥を忍んで電車内で椅子を抱えていたのだろうか。

それにしても不思議な歌詞である。散々言われていることだけれど、やっぱり不思議だ。

なぜクリスマスプレゼントに椅子を買ったのか?これについては別に私は疑問に思わない。「きみ」が欲しがっていたからだ。椅子が欲しくなる気持ちはよーくわかる。変だと思うのは、なぜその椅子を抱えて電車に乗ったのかということだ。

私と同じように送料をケチっただけ?うーん、違うような。だって一応プレゼントだよ。汚れたりしたら困るじゃないの。
そうなんだよ、プレゼントなんだよ。だったらラッピングするとか、箱に入れるとかするよな。私みたいにむき出しのまま持って帰ったりはしないはずだ。箱入りの椅子を抱えるのってしんどくないか?おまけに午後八時前後の電車の中で(閉店時間が一般的に午後八時だと仮定する)。

だいたい、ぎりぎりになって用意するからいけないんだ。もっと早く注文して送ってもらえばよかったんだ。
それとも、同棲しているから配送じゃ都合が悪かったのか?サプライズで喜ばせたかったのか?

わからない。全く以てわからない。

小さい椅子だったなら何もかも解決するのに。あ!そうか!小さい椅子!折りたたみ椅子か!

この歌詞に出てくる女性は競馬狂いなのかもしれない。男のほうがギャンブル好きだから一緒に行くうちに凝り出したのかもしれない。最近はまり出したばかりだから、まだ折り畳み椅子は買っていなかった。競馬の前はパチンコだとかが趣味だったのかもしれない。ギャンブルが唯一の感心事だから女らしい服や小物に興味が無い。だから椅子を欲しがったのかもな。

「僕」はできることなら義援金をプレゼントしたかったが、余裕がなかったので手頃な椅子にしたのかもしれない。線路沿いのアパートで同棲生活を送っている可能性が高いので、そんなに裕福ではないように思える。
だとしたら閉店間際に駆け込んだのは、家具屋ではなくてホームセンターか。

考えてみれば「何もかもがきらめいて がむしゃらに夢を追いかけた」という部分もギャンブラーっぽいもんな。

8 comments:

  1. おやすみ...いつかの椅子の話、最高のエントリー....インドネシアからのご挨拶...(•⌣•)

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  2. 流石!鈴木杏里!
    「僕」の椅子よりも、「杏里」の椅子が
    気になる〜

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  3. 初めてきました。シモエモーションから入りましたが、読み入りました。グーグルに感謝。ついったもふぉろさせていただきます!

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  4. この話を読んで、半日も経たない間に、二脚の椅子を電車で運ぶか否かという話を、仕事上ですることになるとは、全く思いませんでしたー新宿の大塚家具から恵比寿までという、非常に夢の無い話しですけど。(笑)

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  5. わたしの使っている椅子は、ハーマンミラーのアクアチェアという逸品。
    ニューヨーク現代美術館にも収蔵されたというものです。
    購入したときは、5~6万した、それも、いまはガタガタで、市場価値はゼロに等しいでしょう。
    でも、すわり心地は、いまもかわりません。
    セックスの相性といっしょ。
    カラダの、凹凸が、ぴたっとハマるんですよね。
    『いつかのメリークリスマス』はしらないけど、杏里さんとは違う解釈も、ありそうです。

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