Tuesday, September 18, 2012

撮影会終了








最後の撮影会及び最後のヌード関連の仕事が終了した。思えば七年近く、完璧とはほど遠い体型を恥ずかし気もなく晒してきたのだが、よく付き合ってくれた方がいたものだと、自分でも首を傾げてしまう。

ヌード業界に身を置くことは、私のイメージする結婚に似ていた。お金と時間欲しさのあまり、成人映画に出演してしまうことと、楽をしたくて専業主婦になることでは、私から見るとそれほどの違いがあるようには思えない。

OLから専業主婦になって(つまりヌードを仕事にして)三年くらいは、本当に充実した暇人でいることができた。この期間に、ずっと読みたかったのに時間の関係で読めずにいた本を読んだり、観たかった映画を借りてきたり、興味のある芸術や文化に思う存分触れることができた。おそらくこの時の経験は、私の人生の中でも最も貴重な時期となるだろう。

しかし、結婚して何年かすると、互いに気の合わない部分も出てきた。将来への方向性の不一致と言えばいいのだろうか。独り立ちしようと私はパートに出ることにした。二年ほど前からは配偶者とも別居という形をとっていたがが、それでも時々会うことはすっかり習慣になっていた。主に金銭的な理由からである。

そんな中でふと思った。入籍して六年が過ぎたあたりだろうか。

私はいったい何をやっているのか?パート勤めをする結婚生活は私の望んでいたものだっただろうか?答えは否だった。

私が結婚に望んでいたのは、専業主婦という優雅な暇人生活を送ることだった。それができなくなった今、結婚生活を続けることに何の意味があるのだろう?

私は離婚を申し出て、それは無事に成立した。

ヌード業界と寄り添って暮らした七年間に心から感謝している。


最後になりましたが、昨日の撮影会に参加してくださった方、そして、これまでアダルト業界の鈴木杏里を支えてくださった多くの方々、本当に本当にありがとうございました。
これからは、自分好みの服に身を包んだ鈴木杏里として、今まで同様お引き立て下さいますようお願い申し上げます。






Monday, September 10, 2012

小説配信開始!




ケータイサイト・ヒトコトにて、私の書いた新作小説『キャットシティへようこそ』の配信が開始しました!

現在のところ、携帯電話からのみの観覧となります。近日中にはスマートフォンでも観覧可能になりますので、ケータイ派の方ももスマホ派の方も是非是非ご覧になってください。


ストーリーはこんな感じです。


舞台は歌舞伎町の猫カフェ。主人公、誠は勤めていた会社から突然のクビを言い渡された。当座をしのぐつもりで親戚の経営する猫カフェで働き始めた誠だが、本当は苦手な猫や、アウトローな職種の人々と交流の中で次第に自分を見つめ直していく。


必ずしも好きなことを仕事にできるわけではありませんが、それでも私たちは働かなければなりません。そんな、現代人に課せられた逃れられない宿命をテーマに書き下ろしました。



アクセスはこちらから。




Sunday, September 9, 2012

ミコノス島のホテル




別に五つ星とかそういうのでなくていいから、今回のギリシャ旅行では評判のホテルというものに宿泊してみたかった。だってエーゲ海の島でそれほどやることが多そうには思えなかったんだもの。ホテルにいる時間が長くなってしまうに決まっているもの。特にミコノス島は憧れの島だったから、なおさらその気持ちが強かった。

念入りに下調べをしようと思っていたのだが、これだと思うホテルを見つけるのにそう時間はかからなかった。とある口コミサイトで首位を獲得しているそのホテルを知るなり、すぐに私は予約のメールを入れた。ハイ・シーズンだし、これだけ人気のある宿なのだから取れないだろうと半ば諦め気味に予約をしてみたのだが、帰ってきた返事は明るいものだった。

フロントで私を迎えてくれたのは、ここのオーナーだという、痩せたらけっこう美人になりそうな中年女性で、人生を楽しむこつを知っている者特有の自信に満ちた笑顔をしていた。あまり英語のわからない私が聞いても、彼女の英語はきれいだった。『マンマミーア』のメリル・ストリープのようにギリシャ人ではなく、こつこつとお金を貯めて大好きな土地でホテルを開業した人なのだろうか。「ラブリー」という言葉がよく出てくるところを見るとイギリス人なのかもしれない。いずれにしても、彼女はとても表情の豊かな人だった。「今は人の多い時期だから、出かける時はしっかり鍵をかけて、必ず窓は閉めていって。必ず!」と言う時の表情は、舞台役者もびっくりするくらい真に迫っていた。

オーナーも噂通り魅力的な人だったが、ホテルそのものも負けていない。部屋は決して豪華ではないのだが、きわめて清潔で、ほっとするような素朴さに溢れている。ファブリック類はオフホワイトでまとめられているのだが、所々に私の大好きなティファニー・ブルーがアクセントをきかせている。ホテルならではの仰々しさはみじんも感じられない。いい意味で生活感のある、真似できそうなインテリアなのだ。オーナーの趣味の良さが伝わってくる。ほどよい広さで、なおかつほどよく狭いから、隅々まで彼女の目が行き届くのだろう。

朝食も申し分なかった。作っているおばさんがまた感じのいい人だった。控えめながらも素敵な人柄で、こういう親戚がいたらいいな、と思えるような方だった。私は基本的に旅先での「食」にはあまりこだわらないほうなのだが、朝食だけは別だ。たいていはただでついてくるのだから、貧乏根性丸出しで、ここぞとばかりに食べる。たぶん一日のうちで一番食べる。今回の滞在でも、毎日腹がはち切れるほど胃の中に詰め込んでいた。


それほど凝ったメニューではないのだが、だからこそ飽きがこなくてよかった。目玉焼きにスクランブルエッグ、ハムにチーズにソーセージ、いくつかのパン、パウンドケーキ、フルーツ、サラダ、ヨーグルト、数種類のシリアル。絶品だったのは蜂蜜だ。水飴のように濃厚で、さらりとした甘さ。ギリシャではどの蜂蜜も美味しかったが、中でもここのものは飛び抜けていた。

残念なことに、このホテルでとれる食事は朝食に限られている。昼と夜は自分で調べるか、最初にオーナーが渡してくれる紙にピックアップされた数件のレストランを訪れることになる。もっとも、一人旅の私に美味しい夕食を堪能できる素敵なレストランは必要ない。近所にあるベーカリーで買ったパンをベッドの上でぱくつければ十分だ。

何より感動したのはプールだ。口コミサイトの写真を見て思い描いていたよりもだいぶこぢんまりとしていたが、これ以上ないほどの雰囲気だった。プールの何が嫌かって、得体の知れない虫が何匹も(時には何十匹も)浮いていることなのだが、ここの水の中に浸かっているのは人間だけだった。デッキチェアに寝転んでエーゲ海を見下ろしていると、強い風が溜まりに溜まった日常のストレスまで吹き飛ばしてくれる。私はここに滞在している間、それほど厚くない本を二冊ほど読んだ。なんという幸せな時間!

いい面ばかりを書き並べてしまったが、これはあくまでも帰国して、しみじみと思い返しての感想であり、泊まっている時にはそれなりに欠点もあった。

たとえば、水事情に関しては今まで宿泊したどんな安宿よりも最悪だった。一泊あたり140ユーロもするのに。何が困るって、とにかく水が塩辛いのだ。石鹸やシャンプーは泡立たないし、せっかく湯船があるのに、入浴すると小さな傷に滲みる。うがいなんてしたら扁桃腺が腫れそうだし、口をゆすいでもいまいちさっぱりしない。歯磨きもうがいもいちいちミネラルウォーターでしなければならなかった。しかもこのホテル、高台にあるから眺めは最高なのだが、二リットルのミネラルウォーター三本と一緒に帰るのには不向きだ。なにしろ坂道を十分も上らなくてはならないのだ。その坂道からの眺めも笑っちゃうくらいにきれいなのだけれど、日焼けした腕にビニール袋の持ち手が食い込むうえに、腰の神経が足を踏み出すたびにちくちく痛んで、景色を楽しむどころではない。おまけに夜七時から九時までの間は、どういうわけかお湯が出ない。一番シャワーを浴びたい時間帯なのに。

バスルームではいつも「なんだよ、ちくしょう!」と思っていたのだが、今となってはそれすらいい思い出である。そこを離れてじわじわ良さが増していくなんて、まったく不思議なホテルだ。

誰かに言いたくてたまらないのに、やっぱり秘密にしておきたいので、ここで名前は明かさない。どうせ、ちょっと調べればすぐにわかってしまうだろう。世界中の人たちが私と似たようなことを言っているはずだから。

たまには口コミに踊らされてみるのも悪くない。

Saturday, September 8, 2012

撮影会告知!

九月十七日(祝)に五反田クラスAで撮影会があります。
残念ながら今のところ定員らしいのですが、キャンセルなどもあるかもしれないので、よろしければクラスAのホームページでご確認ください。

http://www.class-a.jp/

この撮影会がヌード関係ではラストの仕事になります。まあ、そもそも撮影会以外のそういった仕事からはとっくに退いていたのですが。

ブログ、執筆、その他の活動は引き続き行う予定なので、今後とも鈴木杏里をよろしくお願いします。