Monday, March 26, 2012

かわいそうなサザエさん






お魚くわえたどら猫 追っかけて
はだしでかけてく 陽気なサザエさん




みんなが笑ってる お日さまも笑ってる
ルルルルルル 今日もいい天気

子供を集めて広場で 草野球
打っても投げても 元気なサザエさん
みんなが笑ってる 青空も笑ってる
ルルルルルル 今日もいい天気

買物しようと町まで 出かけたが
財布を忘れて 愉快なサザエさん
みんなが笑ってる 子犬も笑ってる
ルルルルルル 今日もいい天気

明るい笑顔に幸せが ついてくる
楽しい仲間と 陽気なサザエさん
みんなが笑ってる 夕焼けも笑ってる
ルルルルルル あしたもいい天気







以上が『サザエさん』の歌詞なのだが、これはいくらなんでもかわいそうすぎると思う。


二番と四番は平和な感じがしていいのだが、問題は一番、そして二番である。

それでも一番はまだ仕方がないと思う。猫に取られた魚を取り返そうと裸足で表を駆け回る人を見たら私だって笑う。たとえその魚が鯛のお頭付きだとしても。滑稽だもの。しょうがないよ。

だが、財布を忘れた人を笑うとは何事か!誰しも一度は経験することではないか。どんなに焦ったことか、どんなに大変な思いをしたことか。

歌詞には「みんなが笑ってる」とあるのだから、たぶんレジのおばさんなんかも笑っているのだろう。家を出て、買い物をする前に気がついたのなら、彼女が財布を忘れた姿が人前にさらされることはない。
たぶんこんな感じだったのだろう。

「千八十円になります」と店員が言った。

サザエは小さく頷き、財布を取り出そうと鞄の中に手を入れる。次の瞬間、和やかだった彼女の表情に焦りの色が見えた。

「あれ?財布は?」サザエは音を立てて鞄を漁った。レジには列ができている。

「すみません、忘れてしまったみたいで」

レジの中年女が意地悪そうに笑った。「あら、財布を忘れたんですか?」

それをきっかけに、笑いの大合唱が始まった。サザエの後ろに列んでいた人も、他の買い物客たちも「みんなが笑って」いた。ただ財布を忘れたというだけの無力なサザエを。


どうです?かわいそうじゃありませんか?

もしもあなたがサザエの立場だったらどうでしょう?ショックのあまり、しばらく外に出ることが恐ろしくなるのではないでしょうか?

これからは、日曜日六時半にフジテレビを見る時は、あの老け顔の女性がどんなにかわいそうかを意識してみてください。

そもそも二十四歳であんなにおばさんになってしまうこと自体不憫でならないのだが、どうでしょう。






6 comments:

  1. 歌詞のすべてを初めて見ました
    ちびまることさざえさん 毎週見てます
    あと寅さんも全部見ました
    杏里さんは男はつらいよ 好きなのでしょうか

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  2. よっ!さすが物書き 鈴木杏里!ただ、あのマンガでスーパーのレジのシーンは見たことがなく、存在していないように思われる。サザエさんが出かけたのは 商店街ではなく町と明記されている。マンガの設定から これは公共の交通機関を利用していくような場所で 駅を波平、マスオがよく使っていることから 電車が容易に想像できるるる。ではなぜ切符を買う時に気がつかなっかたのか?歌詞には 町まで行けた事実となっていることから その時は財布があったのではないか。そうなると 落としたか、掏られたかとなり サザエさんの心境は 一瞬 「財布忘れた!」と思ってみたものの みんなが笑っていることなどどうでも良くなり、財布の行方が心配になったと考えられるが いかがでしょうか?

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    1. 偏屈のカタマリさんへ
      自分も抜けてドジで人々に朗らかな笑いを与えてくれるよ~ってな描写だと思っていました。作風からも妥当な考えだと思います。確かに、24歳はないよな~。テポドンで狙われるということは、北の人物か?それならあの老け方は合点がいく!?

      そして、杏里さんのシニカルな視点も面白いですよね。

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