Sunday, October 9, 2011

美しいアヌシー、美しいラ・クルーザ


















普通、日本人はアルプスに憧れる。旅行会社ではハイジツアーなんというものもあるのだから、この憧れはちょっと独特のものだと思う。

確かに日本は便利だ。東京は特に便利だ。しかし、美しいというのとは少し違う。

自然な美しさはただただ無意味でなくてはいけない。それを持て余しているようですらなくてはならない。

アルプスはそういう所だ。

そして、ついに私も憧れていたアルプスの景色に会いに行く決心を固めた。
とは言っても、周囲の人たちも行ったことがあるというグリンデルワルトやユングフラウヨッホは選ばなかった。

拠点はジュネーヴだったし、一緒に旅している相手が母親ということもあり、苦労の多い山歩きをあえて選ぶ必要もないと思ったからだ。

タクシーでちょいと行けて、普通の靴で気軽に歩けて、だけどきちんと牧歌的、そんな場所を探していた。

湖にも憧れていた。コモ湖やレマン湖何とも優雅な響きがあった(レマンコという響きに無駄に反応する輩もいるけれども)。
まあ、有名でなくても良かった。澄んだ湖ならばかまわなかった。

そこで、いつものように調べた。透明度の高い湖を。

候補に挙がったのがアヌシー湖だったのだ。

スイスではない。フランスだった。ほぼスイスのフランス。有名どころだとアベンヌの近くだ。

アヌシーにはリヨンからも行けるが、ジュネーヴからが近い。

空港からバスも出ているが、母親がいたためタクシーでホテルに向かった。

ぼったくられて180ユーロだった。時間は40分もかからない。日本から送迎サービスを頼むと250ユーロ前後だから、タクシーのほうがお得だ。数人で行けば耐えられる出費なのだし。

 宿泊したホテルも良かった。最上ではないが、十分満足できた。

インペリアル・パレスは湖畔に佇む白亜の老舗ホテルで、かつては著名人も宿泊したとか。

ここの朝食が最高なのだ。

写真を見ていただければおわかりになると思うが、鳥好きにはたまらない。

すずめのような小鳥が餌を狙って寄ってくるのだ。

母親は完全に餌付けの虜になってしまい、このためだけに再び訪れたいと言っていたほどだ。


アヌシー湖には白鳥もいる。彼らも餌をねだって寄って来る。

犬も多い。とにかく泳いでいる。おっさんもとにかく泳いでいる。

子どもはこの世のものとは思えないほど可愛い。

日本人は全然見かけなかった。そもそも東洋人を見かけなかった。そういう場所が苦手でない人なら馴染めるはずだ。私は幸い苦手ではなかった。


街並みもかわいらしい。フランスのヴェネツィアと呼ばれることもあるという水の都である。

山々、湖、運河、カラフルな建物、城、と真っ当な人間なら誰もが好きなものが広いとは言えない場所ににぎゅっと詰め込まれている箱庭のような街だった。

フランスではお馴染みのスーパ―「モノプリ」もあるし、ZARA HOMEもある。

対岸の高級リゾート地、タロワールには時間がなくて行けなかったので、次回は絶対に行ってみるつもりだ。
また行く場所の一つになるだろうから。

私たちの目的は湖畔のリゾートと、もう一つが牧歌的な村だった。

検討した結果、冬場はスキーリゾートとして賑わうラ・クルーザが良さそうだということになった。

ホテルでタクシーを呼んでもらい、約70ユーロで目的地に着いた。

途中の景色からもう、絵葉書そのものだ。

まるで背景を合成したように美しい所だった。

英語は通じない人もいたが、身振り手振りで必死にコミュニケーションを取ろうとしてくれた。

私の知る限り、フランス人は老若男女問わず女性旅行者に優しい。ものすごくにこやか。なぜなのかいつも不思議に思っているの。

しかし臭かった。家畜の臭いだ。母親なんて具合が悪くなってしまったと言う。

帰りはバスにしてみた。

50分に一本ほどしかないが、わりと正確にやって来た。

一時間ほどでアヌシー駅に着く。タクシーよりはずっと遠回りだ。その分景色を楽しめる。

私一人だったら近くのアラヴィス峠にも足をのばしていただろう。

そこがまた美しい所らしいのだ。


いずれにしても、かなり満足のゆくアヌシー&ラ・クルーザであった。

日本での知名度がそれほどでないのが不思議だ。

写真では伝わりにくいが、湖も実際見ると大変なものなのだから(11番目参照)。

アルプスとイタリアの旅。

出ばなからだいぶハイレベルだったものだから、後々がっかりしそうで心配だったけれど、そんなこともなかった!

それはまた後ほど。






















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