Thursday, May 26, 2011

苛立ちは小出ししようじゃないか。



周囲の人がことごとく韓流にはまっている。

韓国料理は確かに美味しいし、通販にもなかなか安くていいものがあるし、韓国製のシートマスクにはなくなったらやっていけないくらいお世話になっているが、他の人たちの大好きなドラマなんかは、正直なところ「どうなのか?他のもっといいものを見たほうが時間を有効活用できるだろう」と思っていた。

しかし、たまたま行ったTSUTAYAで、たくさんあるはずの在庫が全て貸し出し中だったドラマがあり、なんだかすごく気になり出してしまった。

いくら世間に逆行する私だって、そのドラマのタイトルくらいは知っていた。『美男ですね』と言えば有名ではないか。

それほど人気があるならば……、と世間に媚を売って見てみることにした訳である。

一話見てつまらなかったら返してしまえばいいのだから。

けれど、探し出すのには本当に苦労した。三件ものTSUTAYAで、韓流ドラマコーナーの前をうろうろするという、恥知らずの私でも気恥ずかしい思いをしたものだ。

まあ、だが、それだけの苦労をした甲斐はあった。

くだらないのだけれど、そのくだらなさが大変に面白かった。

ストーリーはありふれている。

双子の兄の身代わりをするため、男装してイケメンバンドのメンバーになったコ・ミナム。

優しいシヌと面白いジェルミ 、そして俺様なテギョンに囲まれて、ハラハラドキドキの毎日を送っている。

秘密を知っている意地悪なライバルや、生き別れの母親。少女漫画には欠かせない設定が、これでもかというくらい詰め込まれている。

突っ込みどころ満載!それがこのドラマの醍醐味なのだ。

まずは、いちいち隠してあるAppleのロゴマークがいい。

テギョン愛用のパソコンなどが、シールでロゴを隠しているのだ。

初めのうちは、葉の部分だけに変なシールを貼っていたのだが、途中で「1」と書かれたシールで、ロゴマーク全体を覆い隠すようになった。

さすがにまずいと思ったのだろうか?

コンビニの看板や、服のロゴなどにもぼかしが入っていて、面白くてしょうがない。

そこまでして映したいか?

パソコンなんて、許可の取りやすいメーカーにするわけにはいかなかったのだろうか?

などと色々考えてもみるのだが、許可を取っていなくて良かった。あの「手作り感」がたまらない。

インテリアも参考になる。こうしたらいけないのだ、という参考に。

どの部屋もカラオケかラブホテルのよう。住みたくないな、と思いながら見るのが楽しい。

服も同様。着たくないな、と思うことで楽しませてもらうのだ。

登場人物たちがほぼ全員嫌な奴というのも素敵なことだと思う。友達になりたい人が極めて少ない。

ヒロインのコ・ミナムは「わざとだろう」というくらいにドジだし、表情がちょっと気持ち悪い(ぶりっ子といえば聞こえがいいのだが)。何かとすぐ出て行こうとするし、全て他人まかせで自分がない。

テギョンはびっきりするくらいのナルシストで、すぐに他人を見下す。嫌みをいうのが大好き。なんだがいつも怒っているわりには、小心者で方向音痴だ。なんだか、私の性格みたいで、そこにまたいらっとする。

シヌは一見いい人そうだが、時々ストーカーっぽい。粘着質で、何を考えているのかわからない。電話をしながらついてくるシーンなんてぞっとした。しょっちゅう人の頭を触るのも気に食わない。大人の頭を撫でるくらい人を馬鹿にした仕草ってあるだろうか?

ジェルミはちょっとうざったいところもあるが、基本的にはいい人に見える。『美男ですね」にしては珍しい。

ライバルのユ・ヘイにいたっては、典型的な悪役で、今のところスタイル以外の長所が見つからない。だけど、個人的にはこういう人が好きだ。

ミナムの叔母は誰より最悪だ。同居しているなら、彼女への殺意が芽生えないようにするのは至難の業だろう。

テギョンの母親は完全に母親失格だ。息子へ発した言葉は人間失格と言っていい。

パパラッチのおっさんも、事務所の研修生も、みーんな嫌な奴だ。

「なんて性格が悪いんだろう!」と思いながらも、TVの前からどうしても離れられない。

が、よく考えたら、こういうのって精神衛生上悪いことではないような気がする。

彼らはドラマの登場人物なのだから、心意気なくイライラして、「死んでしまえ」と思うことができるのだ。

実在する人間だったらそうはいかない。イライラする人でも、関わらなくてはいけなかったりするからだ。いちいち怒っていたら損だ。

それに、苛立ちを溜めるのはよくない。「イライラしてはだめだ。この人は可哀想な人なんだ」と気持ちを押さえ込むと、決まって後で爆発する。

凶悪犯罪者にならないためにも、こういうドラマや少女漫画で苛立ちを小出しにするべきだ。

もしもこれらがなかったら、私は今頃塀の中だったかもしれない。

そう考えると恐ろしくなってしまう。

2 comments: