Sunday, April 17, 2011

花粉と薬






鼻水をずるずるやっている人に「花粉症?」と尋ねてみる。返ってくる答えは、「うん」というものもあれば、「違う、風邪だよ」というものもある。彼(彼女)は、毎年春になると同じような症状の風邪をひくらしい。

そりゃ、わからないでもないのだ。花粉症だと認めたくないという気持ちは。私だって、スギ、ヒノキ、ブタクサ、イネ、キクと十年近く戦っているわけなのだから。

しかし、辛さをわかっているからこそ、見ていて気の毒になる。

花粉症だと認めてしまって、さっさと病院で薬を処方してもらえば、ずいぶん楽になるというのに。認めたくない人々は、市販の鼻炎薬(風邪だと言い張るのなら、なぜ風邪薬ではないのだろう?)を使うしかなく、当然症状は大して治まらない。

彼(彼女)らは、年々症状が酷さを増し、目がかゆくてたまらなくなって初めて、自分が繊細な現代人であることを認めるのだ。

そこで病院に行く人は、私から見れば正しい。

理解できないのは、何がなんでも病院には行かない、薬というものは絶対に飲まない、と言い張る人だ。

薬は全て毒だ、と決めつけ、そのくせ漢方薬にはやたらと信頼を寄せている輩の何て多いことか!

まるで、漢方薬の副作用が出る人なんていないかのように。

まあ、漢方薬にこだわりたい人はそうすればいい。しかし、私に「薬を飲むなんてとんでもない」と説教をたれることだけはやめてほしい。

アレロックのおかげで、私がどれほど快適な日々を過ごしているかなんて、所詮他人にはわからないことなのだ。

花粉症ならまだいいが、風邪薬までも「そんなものに頼るなんて」と言う人は、私を殺したいとしか思えない。

そういう人はたいてい、扁桃腺が年に四度も腫れたりはしない。高熱なんて、子どもの頃に一、二度でたくらいだと言う。

なんて羨ましい体質なのだろう。

「薬に頼るから扁桃腺が腫れやすいんだ」と言われると、もう悲しくさえなってくる。

薬に頼らないポリシーの人は、他の場面でも私を困らせる。

たとえば、同席している人が、鼻水ずるずる、涙ぼろぼろで、週十秒おきにこっとの寿命が縮んでしまうんじゃないというくらいの、とてつもないくしゃみをする。

鼻水のついたティッシュの残骸が近くにあるのも嫌だから、私がせっせと片付けることになる。

それに、いつ鼻水や唾液を飛ばさせるかわからず、緊急事態に備え、常に身構えていなくてはならない。酷い症状の人を見ていると、せっかく病院の強力な薬で影を潜めていたむずむずが、相手のくしゅん!ずずずっ、という音やぼろぼろの涙目によって誘発されてしまう。

薬を飲まない、確かに本人にとっての副作用は少ないかもしれない。症状に我慢できるのならば、本当は私だってとやかく言いたくないのだ。

だが、そうもいかないくらいに、私は他人から出てくるものと、花粉症状の悪化を極端に恐れている。

これがまだ、広い部屋の中であるのら許せるのだけれど、タクシーの運転手にやられると、彼の車に乗った自分が許せなくなり、その日は一日気分が悪くなってしまいそうなほどだ。

彼は「花粉症でしてね〜」と笑うが、もしも風邪だったらどうすると言うのだろう!

細菌に感染してしまったら、あらゆる不便が出てくるではないか。

いくらお互いにマスクをしていたって、気にならないというわけにはいかない。

治療をしたくないのなら、なるべく一人で過ごす。他人と接する機会が多いのなら、病院に行くよう心がける

そういう人がもっと増えてくれたら、春先に人と会うのがそれほど苦痛ではなくなるはずだ。少なくとも私は。

4 comments:

  1. 杏里さん 花粉症酷いみたいですね
    自分は花粉症とは無縁です
    肩こりも経験がありません
    恵まれてますね

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  2. 杏里さん、おっは~!
    ちょっと久しぶりになっちゃいました。
    昨日は撮影会だったようですが、
    盛り上がって楽しい時間を過ごせましたか?
    花粉症はまだまだ大変な時期が続くようですね。

    >スギ、ヒノキ、ブタクサ、イネ、キク

    これだけの種類の花粉に反応があるなら、
    1年のうちに何か月辛い時期があるのでしょうね。
    少しくらい引き受けてあげたいくらいです。

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  3. こんばんは。
    花粉症、大変ですよね。

    でもでも、
    私は病院に行かないのです。風邪をひいて熱があっても、むしろ熱が上がった方がウィルスへの抗体が活発になるらしい(たぶん)ので、風邪薬も飲みません。

    薬が嫌いです。

    そして花粉症。
    一病息災。アレルギー反応は、きっと人間の体の抵抗力を鍛えてくれると、勝手に解釈して、薬を飲みません。

    鼻水はじゅるじゅるです。
    目は充血です。

    はい。。。


    人体の解剖の専門家である養老孟司先生は、「私は医者になんか行かない。人間ドックにも行かない。俺が教えた学生はおそらく3000人くらいいるだろうけど、俺がおしえた医者なんて信用できるか」と、医者嫌いだそうです。
    私は医者でなくて、薬が苦手です。

    でもでも、お薬をいっぱい飲んだ方が、いろいろと楽になるのかな。

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