Saturday, October 2, 2010

村上隆展


ヴェルサイユ宮殿で開催中の村上隆展に行ってきた。

すごく不思議な、もっと言ってしまえば「変」な空間だった。変わったものが好きな私としては、非常に楽しめた。

当日、開館前だというのに、ヴェルサイユ宮殿は長蛇の列だった。九月という観光には最高なシーズンであること、日曜日であることをのぞいても、これだけの人を集められるなんてたいしたものだ。日本のオタク文化もやるなあと思いながら中に入った。

が、しかし、行列にならんだ人たちが目当てにしていたものは、期間限定のオブジェではなく、イメージ通りの豪華絢爛なヴェルサイユだったようで、私と数人のオタクを除く、その他数百人の人々は、村上隆の作品に完全な無視をきめこんでいた。

たまには「せっかく来たのに変なものがあって邪魔だ」とぼやいているおばちゃ軍団もいたが、たいていの人がせっかくの珍しい作品を、まるではじめからそこにない物かのように扱っていた。

彼らは(私の友人も含めてだが)、邪魔な作品群がどうやったら写真に写りこまないか、試行錯誤してアングルを決めているようだった。

あれだけの「シカト」を見たのは小学生以来だ。

別に私は熱心な村上氏のファンではないのだが(かといってヴェルサイユ宮殿ファンでもない。『ベルばら』は大好きだけれど)、あれを見ていたらさすがに気の毒になってきた。誰からの見向きもされない物に注目を向けさせるには、自ら率先してサクラになるのが一番だ。私はどんなオタクたちにも負けないくらい、作品の正面を陣取り、シャッターを押しまくった。

しかし無駄だった。

このような結果に終わった。



いよいよ気の毒さのあまり、怒りすら覚えてきたが、まあよくよく考えてみたら、わざわざ見に来た作品をほとんど独占できるのだから、むしろ喜ばなくてはいけないのだ、ということに気がついた。

つくづくこの変な空間は私に興奮を与えてくれる。美しく偉大な物が、ポップで、ちょっと気持ち悪い物に侵略されている感じ。

ヴェルサイユ宮殿の関係者は今回の展示を肯定的に受け止めているのだろうが、肝心のヴェルサイユ宮殿そのものは、ちょっと迷惑そうだ。

いいよ。あの感じ。

ペットに洋服を着せて、ちょっと迷惑そうにしているのに似ていなくもない。


そういえば、今回の個展では、アニメーションを見られるコーナーもあったのだが、それが、私が指摘するまでもなくどう見ても「プリキュア」で、なんともいえなかった。

隣で見ていた日本人カップルも「プリキュアだ」と言っていた。


このアニメ、日本語版があったら見てみたい。

ちょっと探してみるとするか。


3 comments:

  1. 相変わらずSっ気がありますね。高貴なものを汚す快感。いいですね。

    ReplyDelete
  2. 鈴木さん、あなたはフランスに愛されたのだと思う。

    村上隆氏といえば、以前、工場みたいなアトリエで大勢の若い弟子をこき使って作品を創っていたシーンをテレビで映してました。

    観る人が「違和感」や「居心地の悪さ」を感じたら、担当者の思惑は当たったことになるのかな。

    それにしても、テレビでは「村上隆氏の作品が、フランスで大評判」と持ち上げていたが、誇大広告だったんですね。

    ReplyDelete