Monday, May 17, 2010

ニューヨーク計画

暇さえあれば、いや、暇なんてなくても、最近の私はニューヨークのことばかり考えてしまう。約一ヶ月後に、私はあの土地の土を踏むのだから、仕方のないことだろう。

初めて一人で行く海外をニューヨークに決めたのは、すごく現実的な理由からだった。
英語圏だし(英語なんてしゃべれない私だが)、免許がなくても移動できるし、特殊な場所に行かなければそれほど治安も悪くないと言われているし、都会だから何でも揃うし、ということは、私の旅行にはつきものの、日本でもできることをわざわざ海外でやるのに不自由がない。それに、見たり読んだり聴いたりすることの多い土地だから、なんとなく親しみもわく。少なくとも、愛媛や佐賀や茨城よりはいろいろなものを通した情報が頭の中に蓄積されていることだろう。

ニューヨークを舞台にした小説や映画は、どういうわけか他のどの都市を舞台にした作品よりも面白いと感じたものが多かったことも決めてとなった。

そして何より、すごく無難な気がしたのだ。

一人で旅するのに、ニューヨークよりもっと安全な場所だってないとは言えない。ハワイやグアムやこの間行ったシンガポールやオーストラリアなんかのほうが、日本人観光客だって多いだろうし、日本人でなくても観光客だらけだろうから、みんな機嫌がよくて開放的で、異国にいることで一抹の不安も抱えているだろう。つまり、私と同じような条件の人がニューヨークよりは多いはずだ。

しかし、一般の人がうじゃうじゃいて、みんなそれなりに忙しそうにしている都市に行きたかった。大勢人がいるのに言葉をかわすのにも、ものを読むのにも不自由であるほうが、のんびりと平和で現地の人も温かいリゾート地に行くよりは、一人を満喫できるのではないだろうか。
ELLEだとかフィガロジャパンだとか、いろいろな雑誌のニューヨーク特集号なんかもどっさり買い込んでみたし、ガイドブックだって二冊ほど揃えてみた。

しかし、例によって明確な予定は立てていない。

ブロードウェーでのミュージカル鑑賞と、MOMAやメトロポリタンなどの美術館、そして忘れてはいけない図書館には一応行こうと思っている。が、それだけだ。

それだけ行くのなら十分計画的だ、と思われるかもしれない。しかしこの計画は表向きのもので、実際どうなるかは行ってみないとわからない。

どうして表向きの計画なんて立てたのかというと、誰かに「ニューヨークに行く」と言った時に、まったく何も考えていないなどと言ったら、救いようのない馬鹿だと思われる可能性が高いからだ。

そうでなくても馬鹿にされやすい境遇や思考なので、なるべくそれを避けるためにも、ここでもう少し旅先での計画を立ててみようと思う。

ホテルの部屋に電気ポットがついているのなら、今回もフリーズドライの雑炊とスープはるさめをたくさん持っていこう。カロリーの高そうなアメリカ食とのバランスを考えて、そして何より食費節約のためにも。

その雑炊やはるさめなどの朝食を食べて、気になる通りをうろうろし、疲れたらコーヒーでも飲みながら本を読む。ニューヨークの街にぴったりなものでも、まったくそぐわないもの(たとえば、ドストエフスキーとか、出ていたら『美味しんぼ』の新刊とか、ふだんあまり読まない日本人作家のものとか、『永沢君』や『ぷりぷり県』も気分だ)でもいいだろう。

いつもよりたくさん歩くだろうから、iPodのライブラリは増やしていったほうがよさそうだ。歩きながら聴くならやっぱりアイドル歌謡曲がいい。

おおっぴらにはしないが、人間観察もかかせない。

古着屋巡りは重大な任務だ。私は初めての土地を一人で歩くとき、なぜか古着屋を見て回るのを楽しみにしているのだ。

京都でもロサンゼルスでもそうだった。

実際どこで仕入れた古着だが知らないが、その土地その土地で見た古着の元の持ち主について妄想する楽しみがおまけでついてくるし、過去のものを見ていると、ちょっとした博物館にでもいるような気分になる。売っているものもそれぞれに個性的だ。京都にはエミリオ・プッチが、ロサンゼルスには変な形のサングラスがやたらと多かった。

ニューヨークでは何が多いのだろう?

古本屋にももちろん行くつもりだ。それから薬局も。家電量販店もはずせない。

もしもあるのならメイド喫茶にも行ってみたい。

バーニーズとオープニングセレモニーも行こう。日本にもあるけれど。

帰ったら半身浴をしよう。DVDを見るのもいい。

こうやって書き出してみると、やっぱり国内にいる時と同じように過ごすであろうことが明らかになってしまった。

人に計画を話したら、やはり馬鹿にされるのだろうか。

それでもかまわないという心境になってきた。

以前にも書いたが、日本でもできることをしたほうが、不思議なことに日本との違いが歴然とする。

そして自分を日本人なんだなあ、と再確認する。

しょっちゅう何人かわからないと言われ、絶対にどこかの血が混ざっている。両親の本当の娘ではないんじゃないか?と言われていると、自分のアイデンティティが曖昧になってくる。ちょうど飼い犬が自分を人間だと思い込んでしまうように、私って本当は何なのさ?という疑わしさが、国内にいるのではいつも(ちょびっとではあるが)ついて回るのだ。

最後に、海外旅行は自信につながる。行く度に思うことだ。

英語がだめでも、社交的でなくても、電子辞書と多少の図々しさがあれば、たいていの場合どうにかなってしまうのだ。

そして何事もなく帰国すると、「なんだ、私って別の国でもどうにか生きていけるんだ。だったら日本でもっと恥をかいたって逃げ場はいくらでもあるんだ。だったらもう少し好きに生きても大丈夫だな」とあまり正しいとは言えない自信が生まれる。

こうして私は、外国に行けば行くほど、馬鹿にされる要素をたっぷり含んだ人間へと成長していくのだ。

脈略のない写真ですみません。







9 comments:

  1. 杏里さんはニューヨークの街が似合います
    ところで下から二番目の写真は何なんでしょうか

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  2. ニューヨークは住むように旅行するのにうってつけの場所ですよ。
    自分も数ヶ月住んでました。

    食べ物はチャイナタウンに行けば安くてそこそこ美味しい日本人に合う食べ物があります。
    地下鉄の1weekpassを買えば、移動も便利だしお金もかからないので、ちょろっと晩ご飯を食べに行くなんてのもありです。

    個人的に面白かったのはギャラリー・美術館巡りと、ストリートミュージシャンとの交流、公園を散歩しながら人間観察等々。

    注意点は深夜帯の移動、人気のないハーレムエリアやヒスパニックハーレムの横道に入らないこと辺りかな。

    楽しんできて下さいね。

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  3. New Yorkに行ったら竹製の自転車を作ってみませんか?参考までURLを添付しておきます。ちょっと値段は高いですが、素敵な自転車ですよ。932ドルです。

    http://www.bamboobikestudio.com/

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  4. 杏里さん、おっは~です。
    最近は、めっきり海外旅行づいてるみたいですね。
    ニューヨーク一人旅も楽しそう。
    気をつけて行ってきて、楽しい報告を待ってます。

    >最後に、海外旅行は自信につながる。行く度に思うことだ。

    全く、自分もそう思います。

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  5. ティファニーや映画の撮影に使われたところに行くと面白いかもしれません。私はティファニーの店に行きトイレを使って出てきました。店員も僕のこと知ってるみたいでつけられてました。気をつけないといけないかもしれません。催眠術です。日本人たくさんいました。地下鉄を使った思い出があります。私はアメリカにまた入国できるかわかりません。

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  7. hi l'm china student...
    l'm so glad to know yours new.
    l am your fans^^
    My history is so great.have you read about 中国

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