Sunday, May 2, 2010

乙女の港

『乙女の港』はこれまで読んだことのないタイプの小説だった。
昔ながらのオーソドックスな少女小説なのだが、そういったものが出回っていない今読むと、なんだかとても不思議な味わいがあった。
私が買ったのは『少女の友コレクション 完本 乙女の港』というもので、『少女の友』という雑誌に連載されていた『乙女の港』という作品を単行本化したものの完全復刻版と、新装版とが二冊セットになっているのだが、これが価格を見た瞬間やりきれなくなるくらい高かった。四千円くらいしたと思う。

だが、先にも書いたように、これほどまでに今時の感覚からかけ離れた小説を(漫画でなく小説を)読んだことは、人生が変わるほどではないにしても、なかなか貴重な経験となった。
作者は川端康成(実際はお弟子さんが濃密に関与していたらしいが)、イラストは中原淳一。

今考えても、いや、今となっては当時以上に、物凄く豪華なお二人だ。
戦前の作品なのだが、ストーリーはそのまま七〇年代の少女漫画にありそうな感じだ。いや、それどころか、オタク系男性漫画にもありそうだ。
なんというか、いわゆる「百合モノ」、つまり、ソフトレズ。どこまでもプラトニックな女同士の愛の物語なのだ。画像を検索すると、こんな同人誌も出てくる。いや、別に乙女の港とは無関係で同人ではないのか?わからん。


こっちは絶対同人だよな。



舞台はカトリック系女学校。ヒロインの三千子はそこの一年生だ。彼女はミステリアスな上級生、洋子と、「エス」と呼ばれる疑似的な姉妹の関係になるのだが、やはり上級生の活発な少女克子が、二人の間に割り込んできて――。
ミッションスクール、日常会話に入れ混ぜる外来語、菫の花びら、ロマンティックな手紙、軽井沢への避暑、ワイヤア・ヘエア・フォックス・テリア、青春の情熱をかけた運動会、優しい母にがさつな兄、裕福な少女の転落。
昼ドラならば今でもありそうな要素がたっぷり詰まっている。しかし、繰り返すようだが、これらを活字と時々の挿し絵で脳みそに浸透させると、漫画とも映像とも違った、独特の歯がゆさがあり、それがたまらない。

男目線で見ても十分にセックスアピールのある登場人物たちがまたたまらない。ごくありふれたタイプ分けがしてあり、今にも萌え系アニメ化された時の絵柄が浮かぶようだ。
正統派妹キャラの三千子は無難に栗色、慈悲深い洋子は濃い緑か藍色、男まさりな克子は金髪に近い明るい茶色、未亡人の三千子の母親は娘と同じか紫。
制服は白の分量が多いセーラー服か、茶系のブレザーだったら雰囲気出るな(実際はごく普通のセーラー服なのだが)。
話が脱線するが、私はどちらかといえばロリコンだが、私自身にはロリっ気が微塵もない。しかしこの頃、やけにセーラー襟に挑戦してみたい気分になっている。

古着屋に売っているのを見かけて、うまく着こなせば老け顔でも学生でなくても、着ていてすごくすごくおかしいということにはならないんじゃないかと思うのだ。
同時に、マントも着てみたい。どの作品かは忘れてしまったが、何かのマカロニ・ウエスタンに出てきたマントつきのトレンチコートが理想なのだが、それは売っているのを見たことがない。
ひとまず、セーラー服を買うか、買ったとしても実際に着てみるか、もう少し考えてみようと思う。
それから『乙女の港』に同時収録されている『薔薇の家』を読んでみるのもいい。
ちなみにこっちはソフトホモものです。
いや、そんなことはありません。下の画像も本文とは関係ありません。スターバックスのまわし者でもありません。

9 comments:

  1. 吉屋信子『乙女手帳』もおすすめです。装幀はもちろん中原淳一。

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  2. ボンソワール、マドモアゼル・アンリ~

    フランス語は溜池ゴロー監督も勉強中だそうです。
    今日はマタギみたいなジャケット着てますね。

    >私はどちらかといえばロリコンだが

    そういえば子供の話は面白いといってましたね。

    アデュー

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  3. 杏里さんのセイラー服見てみたいです
    あ 男装前やってたけど似合ってましたね
    また見てみたいです

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  4. マタギのコスプレ、ですか。
    しかし川端康成なんですね、書いてるの。日本人って本来性に対しておおらかな民族ですから。なんでもありですね。

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  6. アンリさん、それマッカーサーのサングラスですか?

    僕は『乙女』なんてものは昭和の前半に絶滅したんじゃないかと思ってます。
    そもそも僕にとっての乙女ってなんなのかって話ですけど

    シンガポールいってらっしゃい
    僕はまだ行った事ありません

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  7. シンガポール航空のスチュワーデスさんは、とても勤勉だね。
    何杯でもコーヒーを盛ってきてくれるから(^£^)。
     いそいそ長い脚で歩き・・・。

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