Tuesday, April 6, 2010

宝塚



ついについに、やっと、とうとう、宝塚を観に行ってきた。
私は最近行動的だ。今までだったら「いつか」と言い訳してきたところに積極的に足を運んでいる。たぶん若さが失われてきているせいだろう。五年ちょっとしたら三十歳になってしまうのだ。うちの家系はそれほど長生きではないので、そろそろ行動をおこさないと間に合わない。あと半世紀もぴんぴんはしていられないのだから。体力のピークはすでに過ぎてしまった。余力があるうちに好きなことをしなくてはもったいない。
そんなわけでの宝塚だが、感想を単刀直入に言ってしまうと、あらゆる意味ですごかった。そして、好みの世界観だった。
まずファンがすごい。おっかけが多すぎる。会場は女、女、女の嵐。

あれだけ人がいても汗臭くないのは匂いも含めて人混みが苦手な私にとってはありがたい限りである。
会場の外にまでこんなものがポスターが貼られていたのには驚いた。

たしか駅にも貼ってあったはずだ。ディズニーランドのある駅が写真を無許可で使えないほどすごいぼと同じような感じなのだろうか。

書き忘れていたが、観てきた演目は『ソルフェリーノの夜明け』だ。パンフレットはこんな感じ。
赤十字社を創立した男の物語なのだが、まあ、勉強にもなりました。血まみれの衣装は宝塚のイメージとは違っていたが、流血好きとしてはラッキーな設定だった。
個人的には主役の方よりも、準主役の方の歌声が気にいった。ぴか一にうまい方は他にもいらっしゃったが、残念なことに脇役だった。まったく、世の中ってうまくいかない。

見どころは、個人的な意見だと、アヴェ・マリアの合唱と、負傷兵の群舞だ。合唱はふつうに美しいし、群舞のほうは、けが人たちが歌って踊るというシーンは他では見られないのがお勧めの理由だ。
すごく気になったのだが、男役の方の歌声は、だいたいにおいて中森明菜さんや山口百恵さんによく似ていた。低音加減といい、歌い方といい。
宝塚の音楽は歌謡曲っぽくて親しみやすい。♪ソル~フェリ~ノ~ ソルフェリ~イィィィィノォ~ ソル~フェリイノの夜明けが 十字を赤く染めるゥ~♪
という歌が、靴の裏のガムみたいに頭にこびりついて離れようとしない。

ちなみに、男性トイレは休憩時間でも行列していないので関係ないが、休憩時間に女性トイレに入りたいのなら、近所にある一階にスターバックスが入っているビルで借りるのが賢い選択だと思う。並ぶよりは早いし、多少歩くのでカロリー消費にも役立つ(まあ、大きいものでせっぱつまっている場合はじっと並んでいたほうが身のためなのだが)。
そして、その行列ができるトイレットというのがまたすごかった。なんと、目的地まで行くのにレッドカーペットの上を歩くのだ。それは階段にも敷いてあった。

しかも、標識までも淑女風なのだから、


こんなものを見せられちゃ、排尿や排便などはできるだけしないほうがいいように思えてくる。

トイレ以外にも、劇場内には基本的に赤じゅうたんが敷いてあった。入ってすぐのところには、見覚えのある大階段が……。

劇場内の宝塚ショップも相当マニアックな品揃えで、入るなり幽体離脱しそうなほど興奮してしまった。

大量のブロマイド、大量のDVD、宝ジェンヌクッキー、ファン新聞、あらゆる小物類。思わず買い占めたくなるが、そこは我慢した。
厳選して入手したのは『ベルサイユのばら~オスカル編~』のDVDだ。一度見てみたかったので、嬉しくてしょうがない。
一番気になったのは、あの刑事ドラマ『相棒』の宝塚ヴァージョンのDVDだった。

これは本当にとんでもない。高かったので今回は購入を見送ったが、見るまで死ねない作品ベスト100くらいには確実に入る。

が、もちろんDVDもいいのだが、やはり生にはかなわない。

ここからは宝塚の魅力を私なりに語らせていただく。興味がない方はページを閉じるように。
あれの良さはなんといってもうさん臭さに尽きる。レモン六百個分のビタミンではないけれど、この世の美と愛と誠実と情熱が何百倍も詰まっていて、さらに糖分とカフェインと果汁と香料と合成着色料と保存料とニコチンとタールとパラベンと油がうんと入っている感じだ。
歌、演技、踊り、衣装、舞台装置。全てに共通するわざとらしさ!嫌いな人は嫌いだろう。虫酸が走ることだろう。私だって時々はむずがゆくならないこともない。しかし、むずがゆくなるのって楽しいではないか。興奮するではないか。何かがたまらなく欲しい時だってむずがゆくなる。宝塚を含めたわざとらしい文化には、欲望を駆り立てる何かがあるに違いないと私は確信している。
宝ジェンヌの中には、歌や踊りの実力をえらく持っている人だっているにはいるが、たいていの人が並以上くらいの実力にとどまっている。声楽家やダンサーのほうがはるかにうまいのは明らかだ。
しかし、滅多な声楽家やダンサーは心地いいむずがゆさを味わわせてはくれない。別世界に誘ってはくれない。人間離れした演技は讃嘆に値する。だが、なんとも言えない気分にさせてはくれないのが、欠点といえば欠点だ。

宝塚ほどなんともいえない気分にさせてくれるものもあまりない。必死なものだけが持つ下らなさと美しさが、あの舞台にはある。

古いミュージカル映画もそうだ。いくらジーン・ケリーやフランク・シナトラやエレノア・パウエルが素晴らしい演技を見せたって、画像が古いとそれだけでもう一気に安っぽくなる。都合のいいことに、その安っぽさは、私の好みに見事フィットするのだ。

山岡さんの言い回しを借りるなら、私みたいなミュージカル映画の大好きな人間が、どうして今まで宝塚を観に行かなかったのか?

まあ、そんなことを悔やんでも仕方がない。これからはもっと勉強しよう。

そうそう。宝塚観劇のために、私はわざわざナポレオンジャケットを買いに行った。宝塚といえば男装、それも軍服だ。多少はコスプレしていかないと、と勝手に思い込んでいたもので。



趣味が多いって楽しいなあ!

8 comments:

  1. 杏里さんは好奇心旺盛な人ですね
    いい事だと思います
    それだけ人生を楽しめるのだから
    ブログ続けてください
    live doorなんかどうでしょう?

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  2. 前にこの辺とおりかかって、出待ちのファンがすごく沢山いたよ。

    タカラヅカだってしらなかったので、
    なんか一種異様な雰囲気を理解できなかった。
    タカラヅカだと分かれば、ああ、なるほど、と。
    タカラヅカファンの共通性がどの辺にあるのかは
    まだうまく言語化できないけど…。

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  3. おぉー日比谷の宝塚じゃないですか。

    オイラは毎日、会社帰りに「倍賞千恵子」の手形を踏みつけながらタバコを吸ってますよ(汗)。

    職場の同僚にヅカフリークがおりますが、オイラには立ち入れない世界です(滝汗)。

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  4. 古いミュージカルがお好きなら、今
    神保町シアターで日本映画のミュージカル
    特集やってますよ。「君も出世できる」が
    おすすめです。

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  5. 杏里さん、おっは~です。
    宝塚を見に行かれたのですね。
    自分も、是非一度見てみたいと前々から思ってたのですが、
    今回、一段と見たいなぁ~と思ってきましたよ。
    でも、あらためて見てみると、
    杏里さんの美しさは、宝塚の女優さんに全く引けを取りませんね。
    杏里さんは舞台栄えしそうですし、
    こちらも是非拝見したいものです。

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  6. 俺も何年か前にシェイクスピアの劇を見てすごく感動したの覚えてるな。
    登場人物の全員が一秒一秒を全力で生きてる感じがして、現実にいたらむさ苦しいのかもしれないけど、すごく素敵だった。

    宝塚はミュージカルだし、杏里さんの言うように舞台とか衣裳の豪華さも見どころだろうからきっと感動の仕方も違うのかもしれないけど、見に行きたくなってきた!

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  7. 久しぶりにきました♪ブログがかわっている!
    書き込みは初です^^
    私もミュージカル映画が大好物なのに、宝塚を観に行こうなんて今まで思ったことありませんでした。
    でも、ついに日曜日に宝塚の舞台を初観劇してきます♪

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