Tuesday, April 20, 2010

お年より作文集



我ながらものすごくいい買い物をしたと思う。

お年よりの作文集なんてめったに手に入らない。それが偶然入った古本屋で売っているなんて、こんな時は運命があるって信じてもいいと思えてくる。

別に人生が変わるほど面白いものでもないが、読んでいるとなんとも複雑で、胸の奥がむずがゆくなるような楽しさがある。

内容はタイトル通り、作文と、それから俳句が少々。

生子さん(四三歳)、尚一さん(八三歳)、トメさん(八六歳)、貞さん(八七歳)、ふくさん(八九歳)、すえさん(故)、貞一さん(七三歳)、計七名のお年より(生子さんは年よりとは言えない年齢だが)の作文が載っている。

内容は六人が思い出話で、一人がゲートボールのことだった。

個人的に気に入ったのが、トメさん(八六歳)が書いた、『年を取るとけんかも楽しい』という、ほのぼのとしたタイトルがかわいらしい作品だ。

嫁入り前、渋谷に奉公に出ていた頃の思い出を綴っている。
話によるとトメさんは、同級生のおよしさんと一緒に上京して、家の人の反対を押し切って、渋谷のカフェで女給をしていたらしい。

それから先はカフェを登場させた意味なんてない展開だ。知り合いの孫じいさんの縁で嫁に行き、戦争がはじまったので疎開し、戦争が終わってからは、ただただ働いたという。
今はおじいさんと二人で、けんかをしながら楽しく暮らしています。年をとるとけんかも楽しいものですーーそんな風に作文は締めくくられている。

どうってことのない話だし、ちっとも読み応えなんてないのだが、それがかえって素人臭い味を出す結果となっている。しかも、聞き書きらしい。ちょっとがっかりだ。

だが、聞き書きにしろ何にしろ、お年よりの話に耳をかたむけるのは不快じゃない。

私は年よりと暮らしたことがない。生まれた時に祖母一人しか健在でなく、彼女にも数度しか会ったことがないので、老人に対し神秘的ともいえる幻想を抱いている。だから、年よりの話は貴重であり、お金を出して買うことになっても話を聞く価値があると思っている。

五百円という値段が高かったのか安かったのかはなんとも言えないが、ふつうなら売られていないことは間違いないので、いい買い物ができたと思っている。

買うほうも買うほうだし、売るほうも売るほうだ。本屋もそうだが、なにより面白いのは、買い取ってもらえると思って持って行った元の所有者だ。

小学生の作文だとか、学生の卒業文集もどこかに売っていないだろうか?

そういうものならちょっとくらい高くたってぜひ買いたいと思っているんだけれどな。

6 comments:

  1. 今度杏里さんの卒業文集を探してブログで紹介してほしいです。。
    自画自賛は照れくさいかもしれないけど、面白いに違いないと思います。

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  2. 以下のことが激しく気になります。
    ●「八五」って何? 地名? 職業名? 実家の姓? まさか聞き間違い?(まさかまさか「越後」?)
    ●四人兄弟もう一人の運命は?
    ●仙吾の小母さんと姉妹の人は、やはり仙吾のおばさんでは?もしや仙吾って地名?

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  3. 杏里さんの好奇心には毎回驚きます

    杏里さんって歌手の杏里からとったのでしょうか
    本名はどんなんだろうか
    想像してしまいます

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  4. どうも~、今朝最後のおっはーです。(笑)
    杏里さん、またまた面白いものを見つけられたようですね。
    しかし、こんな出版物が流通してるとは驚きです。
    しかも500円とは。
    でも、それ以上に3枚目の写真で、杏里さんの脚にドキッとしたら、4枚目で・・・
    もっと驚き、笑ってしまいました。
    杏里さんだからこそ、笑って可愛く思えます。
    自分が同じ格好したら、洒落にならないかと・・・
    では、そろそろ仕事に行ってきます。

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  5. 色んな事に興味が有るんですね。神津島には毎年、仕事で行っています。今度、本人がいないか聞いてみようかな? 

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