Friday, January 22, 2010

山谷天国





マックから初の投稿を試みているのだが、けっこう難しいものだ。画面がものすごくきれいだから目への負担はいくらか軽減されるけれども。一枚目にまちがって変な顔をした画像を添付してしまった。まあいいや。嫌だけれどさ。


けっこう前のことになるが、ついに私は山谷デビューをした。

そのうえ、ただデビューしただけではなくすでに二度行ったリピーターだ。

最初は泥棒市メインだった。朝の五時半くらいに起き、がら空きの車両に揺られ(私と友人があまりにも小汚い格好で行ったせいで周囲にえんがちょされてしまいがら空きになったのだけれど)暑苦しいくらいの意気込みで夢見ていた山谷に向かった。
南千住だなんて行くのが面倒なので浅草からタクシーを拾ったのだが、見事に乗車拒否もされた。小汚いからな。

どのあたりかいまいちはっきりしなかったので、とりあえずは「マンモス交番まで」と告げた。交番で泥棒市の場所を聞こうって体で。

おまわりさんも「あんまりおすすめしないよ」と言っていたし、行ってみるまではどきどきだった。泥棒の巣窟に行って何も盗られないで帰ってくるほうが難しいのではないだろうか。私のサングラスやら電子辞書やら財布やらが泥棒市で売られてしまう!それだけは避けたい。ちょっと面白いけれど避けたい!

だが、着いてみると想像とはまったく違う明るい雰囲気だ。ごく普通のフリーマーケット会場のような。

しかし売られているものは普通のフリーマーケットとはだいぶ違う。画像をよーく見てほしい。縦笛。使用済みと思われるピンクローター。

そんなもの誰が買うというのさ!

結局私は骨模様の手袋と、まだきれいなソニーのMDウォークマンを合計¥1,500で買った。ウォークマンの中には謎のMDが入っていた。素人のデモテープだったらものすごく面白いのに、と期待しながら聴いたのに、ブルーハーツっぽいバンドのアルバムだったので拍子抜けした。

友人はクレアーズの新品ネックレスを¥200で買っていた。クレアーズの商品はなぜか箱ごとあった。どうやって仕入れてきたのか気になる。万引きに入ったとしても、あの店であのおじさんは目立ちすぎる。

泥棒市を満喫した後は、朝っぱらから人でにぎわう寿司屋で朝食をとった。

寿司屋と言っても席はなく、ちょうどたいやき屋のようなむき出しの調理場があり、空箱と簡易椅子を使って食べるしくみだ。おしぼりはべちょべちょ、汚いどころではない店構え。しかし手入れは行き届いており、臭くもなく、こぎれいと言ってよい。感じのいい親方とおかみさんが仲むつまじく出迎えてくれる。

握り一つが¥60くらいで、ウニ、トロ、イクラなどを2人で腹一杯食べても¥1,600くらいだった。物価の安い国に迷い込んだみたいだ。

握りの腕は一流店とは違うが、ネタのレベルは回転寿司や出前などは及びもつかないハイレベル。そして大きいこと!

ネタと酸飯がたくみに解け合う一体感はないが、ちょっとかための酸飯はネタと同じくヴォリュームたっぷりで、その味はずっしりと情深く、他では味わえない、いい意味での癖がある。

これを味わうためだけに山谷に行ってみるのもいい。

他のお客とのふれあいもこの寿司屋の魅力だ。見知らぬ労働者と話すことができた。彼は50代後半くらいで、結婚していたこともあり、年頃の出来のいい息子がいると自慢げに話した。日雇いの仕事でお金が入ってもギャンブルでスッてしまうらしい。今はお金がないが、今度まとまった給料が入ったらおごってやるよ、と彼は豪語した。
そのうえ、友人は毛玉だらけのスウェットを見て「もっといい服着なさい」と駄目だしまでされていた。


その後は古着屋に入りネルシャツを二枚買って、大満足で山谷を後にした。


それが一回目の山谷だ。

二回目は穏やかなものではなかった。甘くみて前回より普通の格好で行ったのがよくなかったのかもしれないし、正月という日雇いの仕事がない時期に行ったのがよくなかったのかもしれないし、真冬の強烈な寒さのせいかもしれない。よくわからないけれど、その日の山谷は死人の街だった。

人手はずっと少なく、その中の誰もが無気力で、ゾンビのようなさだまらない足取りで歩いている。夢も希望もありゃしない。L・Aでも似た場所があった。夜のダウンタウンだ。

以前来た時、山谷の住人は温かかった。その日暮らしを楽しんでいるように見えた。目標は来月でも来年でもなく、数秒後口に含む酒である、そんな彼らを見ていると、くよくよ未来のことを心配している自分がくだらなく思えてきた。今を明るく楽しく生きようと思えてきたのだ。
しかし今回の山谷の住人は生気がないか卑屈か世の中に恨みを抱いていそうか、そのいずれかで、全体的に、俗に負のオーラと呼ばれているものが漂っていた。

パチンコあたりやにも入ってみた。ここは正月早々混雑していた。ギャンブルをしている人のぎらついた空気はそこになく、みんな機械仕掛けの人形みたいにただ手首をひねっていた。

寿司屋もやっていなかった。ドヤはどこも満員で、中に入ることはできなかった。

こんなはずじゃなかった。

あげくの果てに、明らかに様子のおかしい人にどこまでも後をつけられた。すりにしてはあからさますぎるし、変質者にしては精力がなさそうだ。

思えば、消極的な物乞いだったのかもしれない。もしくは私たちが財布を出すのを狙っていたひったくりだったのかもしれない。部外者を追い払おうとしただけにも思えるが、真相はわからない。

二度目の山谷は気の重くなる結果となった。


そういえばドヤ街の真ん中にコンビニというかスーパーというか、小さい店があるのだが、そこの品揃えはちょっと面白い。

安酒の種類が酒屋みたいに豊富で、女性誌は一冊もない。

一番びっくりしたのが、石けん、シャンプーはあるのにリンスはないことだ。

そりゃあまあ、使わなそうさけれどさあ。


もう少し暖かくなったらまた行ってみよう。安宿目当ての外国人で賑わうと噂のコミケの時期が面白そうだ。

3 comments:

  1. 杏里さん こんにちは 山谷ですかぁ~
    行ってみたいな。杏里さんのブログ最高!!
    写真も美人過ぎて思わず保存しました。

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