Thursday, January 21, 2010

ブスノ卵

「女性向け読み物」みたいなタイトルだが、これから私が女性達に素敵な生き方を提案しようとしているのでは、当然、ない。あしからず。

コロンブスの卵って言葉がある。私は、あれの謂れをウン十回目の生理を迎えるまで――つまり、だいぶ遅い時期まで――知らなかった。ふつうは小学生とかでも知っているものだよねえ。きっと。
我が家は親子そろって物知りじゃないので、生理をウン十回目経験している娘と、生理はおそらくもうなかったであろう母親とで、ずいぶん悩んだ。

コロンブスは何か卵を使って斬新な事をしたんだよ。それが何だか思い出せない!などと言っていると、母親が急に「卵を立たせようとしたんだ」と言った。
「そういえば、そんな話を聞いたことがある」と私も同意した。しかし、以前からこの性格だ。コロンブスが何をしたかがわかっても、どうやってしたかわからなければ意味がない。
今だったらネットで検索して一発なのだが、当時の私はパソコンアレルギー。触るのも嫌だったと記憶している。だから、自力で調べた。どうやったら卵は立つのか、を。

まずは冷蔵庫から卵を取り出し、ごく普通に皿の上に置いてみた・・・・・・が、立たない。何度やっても立たない。きーっ!
元凶は何なのか?私は骨董品の品定めをする鑑定士のように、卵を見て、触れて、手の中でその重さを確かめた。
案外重い。しかも、重さのわりに皿と触れる面積が少なすぎる。本当につるんと丸い。たまご肌などと言うだけある。
母親は「茹でれば立つんじゃない」と言っていて、私も内心そうかもなと思ったが、何とか生のまま立たせてやりたかった。
そこで私は少々手荒な手段に出た。卵を握り、力を入れすぎないよう気を配りながら、皿に叩き付けた。
皿に触れる面積を増やしてやりゃあいいと思ったわけだ。これが、思いの外うまくいき、卵は見事におっ立った。あの感激は忘れない。後に父親が帰宅し、コロンブスの卵の謎を解明するべく私がとった手段はけっこうイイセン行っているとわかり、「へっへーん」と思ったのだが、母親はなぜかうかぬ顔。

「コロンブスはゆで卵だからいいが、あんたの場合はそれを生卵でやった。割れて中身がこぼれるリスクを考えていない。無茶なやり方だ」と非難された。確かにそれはそうなんだけどさ。
何でこんな話をしたかというと、最近この話をむしかえされ(親ってのはしょっちゅうむしかえしますよね)、思いだしてしまったからだ。
だが、あの時非難された屈辱も思い出してしまった。私はつくづく思ったね。似たような事をしても、えらいとされている人と、ろくに勉強もしない馬鹿娘じゃあ周囲の反応もずいぶん違うものなのだな、と。
偉い人で思い出したが、次の札って誰になるのだろう。もう候補とかいるのかしら?多分少なくても十数年後だろうから、今よりもう少し新しめの人になる気がする。
手塚治虫さんあたりはどうだろう。イイセン行っていそうだが。でもやっぱり私なんぞが言っても説得力ないのだろう。

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